理由は開発者に聞いてみないとわかりませんが、設定ミスの可能性も、意図的なものである可能性も否定できないところですね。バグも結構あるゲームなのでミスって設定し忘れただけということは十分考えられます。
まず「くない」が、これまでの近接武器の「しゅりけん」を意図したものであることは明らかです。ご存知かもしれませんがベニー氏の小説「隣り合わせの灰と青春」「風よ龍に届いているか」の二作とも「苦無」とも呼ばれる型の手裏剣が登場し、忍者の能力を発揮するための近接武器として使われています。
苦無がこの初代仕様の手裏剣だとすれば、スペシャルパワーもファミコン版の手裏剣と同じ「最大HP+1」が妥当に思えます。
これは非常にショボい効果ですが、スペシャルパワーを持っていること自体で「苦無」が特別な武器であることをプレイヤーに教えることになるでしょう。村正や手裏剣のSPはほとんど武器を破壊する罠みたいなものであり、効果自体はあまり重視されていませんし、開発サイドも軽視するあまり効果を付けるのを忘れてしまった、というのは十分考えられることです。
わざとつけなかったということも考えられます。罠目的のSPだとすればHP+1も+0も似たようなもので、あえて思わせぶりな感じで設定しなかったということもあるのではないでしょうか。
本来設定するものがあったとしても、おそらくこの「くない」については大した効果は与えられなかったと思います。
余談になりますが、近接用のWIZ仕様シュリケンを苦無のような武器と解釈したプレイヤーは少なくないようなのですが、実際に投擲しない手裏剣が一般的なのか、苦無と同一視していいのかはよく知りません。ウッドヘッドの意図したものは普通の投げる手裏剣だったことが外伝2より少し前の本で明かされていますので(カシナートの不確定名が外伝2だけ「ブレード」なのもその本の情報が反映されているっぽい)、外伝2では旧「しゅりけん」と似て非なる武器として名前や効果を変えたのかもしれません。